最後の家

きっかけ
 転勤先から戻り、最初感じた中古住宅のショックで、建て替えを検討しましたが、築5年の家を壊すというのはどのメーカーさんも「もったいないですよ。」と言われ、かと言って土地もなく、家を建てる話は現実性に乏しいものでした。そのうち、この家での生活にも慣れてくると、新しい家を建てたいと言う欲望は、「まぁ宝くじがあたったらね。」位になりました。
 その内、子供達も成長してきて、「個室が欲しい。」と言い始めました。
 小さい頃はベットをくっつけて、広い場所で寝るのを喜んだり、又喧嘩をすると、ベットを部屋の端と端に移動させて、お互い「こっちにこないで。」って言うものの、3日もしないうちに、「そっちにお泊まりに行ってもいい?」って言いだし、狭いシングルベットに2人で折り重なって寝るので(2人とも寝相が悪いのです)、見かねてまた模様替えをしたりで、2人の部屋って事で楽しそうでした。
 それが、2人とも中学生になると、個人のプライバシーが重要になってきました。めぐちゃんが受験生となり勉強しなくちゃいけないのに、「なっちゃんが話しかけてくる。」って一緒に話し続けて勉強しないし、なっちゃんは早く寝たいのに、「めぐちゃんがず〜っとCDかけっぱなしでうるさくて寝られない。」って、毎日大変になりました。
 「早く部屋を仕切ってよ。」って子供達の声で、セキスイハイムのリフォーム会社のセキスイファミエスに連絡を取り、2部屋を仕切る見積もりを取りました。一応仕切れるプランで建ててはいるものの、いざ仕切ろうと思ったら、手持ちの家具等が大きすぎて足の踏み場がなくなってしまいます、収納家具で仕切るか、壁を立てるか、どちらにしても部屋はすごく狭くなります。それで、子供達に「どっちがいい?」って聞くと、「エッ?本気で仕切るの?やめて〜や。これ以上狭いと困るじゃん。ケチなお母さんが本気で頼むと思わなかったから、言ってみただけよね。仕切らなくていいから。」って返事です。反抗期の女の子の気持ちは移り気で困ります。

一時は、部屋の真ん中にブラインドを吊ってみたこともありますが、結局は自分達で取り払います。
めぐちゃんは、今、自分側のドアを本箱で塞いでしまって通れないようにしています。自分のプライバシーを保つために、なっちゃんの部屋からしか入れない様に画策しました。

難点は、なっちゃんと喧嘩した時でも、そこを通らせてもらわないといけないこと。
めぐちゃん側 なっちゃん側



 次に、主人が「ジャグジーバスにしたい。」と言いだしました。もともと腰痛持ちで、一昨年から椎間板ヘルニアにもなった主人の最近の娯楽はスーパー銭湯です。「リハビリだ〜。」って浸かりに行くのですが、家でもくつろぎたいらしいのです。彼は、自分の行動範囲全てに、自分がリラックス出来るように変えていきます。
 まずお庭。「光合成をするんだ〜。」と言って、休日は庭でごろごろ出来るように、アウトドア用のベットを購入、寝ながらの日光浴を楽しみます。
 「音楽がないと動けない」と、1階のリビングと2階の寝室にステレオを設置。サンドバックでトレーニングするときも音楽が必要とCDラジカセを置いています。このCDラジカセは、お庭でくつろぐ時に持って行っているようです。
 その彼の次のプランが、ジャグジーだそうで、今の家にすぐにでも取り入れたいと連絡したのですが、「ジャグジーにしても、2階のお風呂では、気泡が届く程のパワーが出ないですよ。」と言われ断念。「それじゃぁ、南側の開いている角地にお風呂を作ろう。」って言い出しました。

 ですが、南西の角地には客間が必要なんです。
 増築の話が出ている頃に、義母が心筋梗塞で入院しました。手術も成功し程なく退院の運びとなったのですが、帰る家が問題だったのです。主人の実家は、両親と義父の母の3人で暮らしています。祖母は痴呆の症状が出始め、目が離せません。義父の体調もあまりすぐれず、義母を看る人がいないのです。義母本人は、「大丈夫だから。」とすぐ帰ろうとするのですが、帰ってしまったら、すぐに起き出して家事を始めるのが目に見えるようです。義姉が心配して、自分の所でしばらく看るからと引き取られました。ですが、娘とはいえ人の家でお世話になるのは1週間が限度のようで、義母は「自分の家が良い」からと帰って行きました。その時、長男であるはずの主人は何も言えなかったのです。だって、我が家には泊まる部屋がないんですもの。我が家に来ても気を遣って長居はできないかもしれないけど、それでももう1週間位は休養できたかもしれません。泊まれる場所があれば、「うちにも来る?」って言えます。断られるかもしれないけど、「来る?」って言えるのと言えないのでは随分の差があると思います。親の方にしても、息子が自分達の場所を用意していると思うと、行くことはないとしても安心できるのではないでしょうか?

 それで、どんな増築プランが提案できるか相談してみました。しかし、値段の割に使い勝手が悪く魅力に乏しいので、それくらい出すんだったら、最初から家を建てようって話に戻りました。
 
 私達の動機は、すぐに動き出すにはどれも決定力に欠けていました。
 それでも、セキスイハイムの「展示場780万円」とか「新築880万円」の広告はとても魅力的で、土地もないのに申し込んだりしていました。
 その時知り合ったセキスイハイム営業のT氏は、その後も親身に対応してくれました。
 セキスイハイムの抽選会には3度足を運んでみたものの、みごと外れの連続で、私達の話を聞いたT氏が、「それでは、ご希望に添うような土地があれば、資料を送らせて頂きます。」と言われ、この1〜2年定期的に土地の情報を送って来られました。


土地を探すに当たっての条件
  ・面積80坪以上(できれば100坪)
  ・団地であること(道路も広く、区画整理され、ライフライン等すぐに繋げる場所)
   ・南向きであること
   ・私達に支払える金額であること
 を念頭にいくらか物件が送られてきました。

 しかし、無謀な要求に沿うような物件はなかなかなくて、主人はその土地情報のみで興味を失っていきますが、念のために私が1件1件確認の為に、一人で現地に赴き、写真とビデオを撮って主人に報告しました。
 上記の4つの条件はクリアできていても、それ以外で困る事って色々あることが解りました。
  ・広い土地だけど、すごい崖の上にある
  ・団地なのに、途中の道路が狭い
  ・工場の近くで環境に問題あり
  ・家のすぐ前に大きな側溝がある
  ・隣の敷地との段差がありすぎて、見下ろされる様な土地
  ・すぐ目の前に大きな鉄塔がある
   一つなど、行ってみたら既に家が建っているって事もありました。古い情報だったのでしょうが、私が行く前に確認作業をしていて欲しかったです。






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